溝引き定規
手描きパースには欠かせないのが「溝引き定規」です。
目地など長い直線を引くときに使う定規で、筆とガラス棒を箸を持つように
持ったら、ガラス棒の丸い頭を定規の溝に当てて、すぅーっと滑らせれば、
筆の先できれいな直線が引けます。
このとき、手首は動かさないようにして、体をヨコに移動させるような気持ち
で引とうまくいきます。
簡単そうに見えても、かなり練習が必要です。
写真の定規はもう15年以上使っていますので色が褪せてきてますね・・・。
1914年(大正3年)に創建された東京駅丸の内駅舎は、辰野金吾
により設計され、その堂々たる姿で、多くの人々に愛されてきました。
しかし、1945年(昭和20年)、戦災により南北のドームと屋根・
内装を焼失。戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎に復興し、現在
の姿になりました。
この度の「保存・復原工事」では、外観を創建時の姿に忠実に再
現するのはもちろんのこと、さらに、未来へ継承するため、鉄骨煉
瓦造の下に地下躯体を新設し、機能拡大の工事を行います。そして、
巨大地震にも耐えうる建築とするため、「免震工法」で施工します。
パース(完成予想図)は建築物だけではなく、このような
ランドスケープといったゴルフ場も描く事もあります。
ただ、樹木や芝など自然物を表現するのはとても難しいです。
静止画ならともかく動画(アニメーション)などは気が遠くなる
作業が生じます。
ある高校の全体鳥瞰パースと講堂内観パースです。
両方ともA2サイズでエアーブラシと透明水彩で着色してあります。
鳥瞰パースは通常の人が立った時の目線(アイレベル)のパース
に比べると見える面が多いので必然的に制作時間も多くなります。
最近は手描きパースを描く機会もめっきり少なくなりましたが
CGよりも手描きの方が個性が出しやすく個人的には好きなのですが・・・。
先週末、S様邸の新築住宅のお引き渡しがあり
その際に恒例の額装した手描きパースのプレゼントを
させていただきました。
今回の住宅の外壁にはタイル調のサイディングが
使われましたが、これをパースで表現するのは
ちょっと難しくいろいろ苦心しました。
今後とも、末永いお付き合い、宜しくお願い致します。